リリイとわたしたちの12日間 ~誇り~

 

急変から11日目

リリイの様子がさらに変化してくる

 

ホースから直に水を飲んでくれていたリリイ

 

どうやらそれをするのも辛いらしく

水を飲もうとしてくれなくなった

 

水の入れ物をすぐ前に持っていってみても

一向に舌を出そうとはしない

 

最後の手段

 

ガーゼに水を含ませ

口の横から流しいれてみる

 

仕方なく・・・

といった感じで

口の中に流れた水分だけはなんとか飲み込んでくれた

 

ごはんは食べなくても

水だけはたくさん飲んでくれていたのに

それも受けつけなくなるなんて

 

口を大きく開けることも

舌をぺろぺろ出すことも

 

できる限りしたくはないのだろう

 

外で過ごすとき伏せていた身体は

横向きに手足を放り出すような体勢に変わっていた

 

後ろ足にはほとんど力が入らず

二人がかりで排便と嘔吐のフォローを続けている

 

リリイがおしえてくれる限り

なんとか立って用を足してもらいたい

 

そんな気持ちでそばにいる

 

その気持ちはリリイも同じみたい

 

苦しくても

しっぽや息づかいで

わたしたちに合図をしてくれる

 

いつものように立った姿勢ですること

 

それだけはなんとしても成し遂げたい

とそんな気迫を感じる

 

リリイの身体の変化に

 

リリイのこの世での時間は

もうそう長くはないことを感じる

 

リリイの生きる姿勢は相変わらず美しい

 

その凛々しさからは

犬としての「誇り」を強く感じさせる

 

 

外での時間すごく疲れた~

腕がだるくて痛いよ~

 

 

 

 

 

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