夕方
約束通り散歩を終え
リリイの容態は急変
リリイのいつもいる場所に急いで運び込む
そこには今まで気づかなかったものが
落ちていた
この星をみつけたとき
「ああ リリイは今日逝くんだな」とわかった
この感覚は間違いない
もうすぐそこに
リリイの旅立ちがあることを直感的に感じていた
いつもはまだ家族全員が揃わない時間
リリイの息苦しさは次第に増していった
あきみ姉との約束を果たし
「逝ってよいとき」を待っていたかのようだった
家族みんながリリイのそばでリリイを見守っていた
手や足 身体をさすり
声をかけ
伝えたいこと
たくさんたくさん伝えることができた
もう充分過ぎるほどの時間
つらそうで苦しそうで
わたしたちもみていて
つらくて苦しい
早くこの苦しみから解放してあげたい
そう強く願っていた
リリイはあきみがなくなってから
ずっとそばにいてくれた家族
人間のように悲しみを表現することはできないけれど
リリイもまたあきみという大切な家族を失い
同じように悲しんでいただろう
ずっとわたしたちのそばにいて
いつも通りの散歩・生活をさせてくれ
慰めたり励ましたりしてくれていた
今ではそれがわかる
そのときは自分たちが生きること
それだけで必死だった
大切な存在をまたひとり
失おうとしているわたしたちに対し
リリイは何を思っているのか?
自分が逝くことでまた家族が悲しむ
そんな不安な気持ちなのか?心配だった
見えなくなるのは寂しいよ
でもね 大丈夫
姿はなくても心はいつもそばにあること
あきみに教えてもらってる
わたしたち
3年前よりもだいぶ強くなってるよ
だからもういいよ
わたしたち大丈夫だよ
リリイ
わたしたちはリリイに
そう声をかけた
リリイは頑張って頑張って・・・
わたしたちが見守るなか
13年と一カ月
という一生に幕を閉じた
その姿はとても美しく
誇りに満ちた犬の最期として
わたしたちの心に深く刻まれた
リリイありがとう
おつかれさま
楽しかったよ
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