辛くてどうしようもなかったとき。
葉祥明さんに会いに行った。
たぶん初めていったのは夏だったと思う。
北鎌倉にある美術館に急いだ。
出掛けることも
人に会うことも
できれば何もしたくない
そんな頃だった。
でもなぜか無性に会ってみたくなった。
きっとこの本に出逢っていたからだと思う。
↓
この絵本を描く人はいったいどんな人なんだろう?
ただただそれだけで出かけて行った。
あきみのいない日々のなか
私の心を動かすものはもう何もなかった。
でもこの日は違った。
とても衝動的な自分だったことを思い出す。
その洋館はとてもあたたかかった。
葉祥明さんの本がたくさんあり
壁には原画が丁寧に飾られている。
なんだかほっとした。
ご本人によるトーク。
直接触れる絵本作家の世界観。
その世界に魅了されながらもこの人は何か知っている。
そんな直感があった。
トーク後
ご本人と話すことができ・・・
人間としてはあまりにも早くこの世を去る命があること。
このことについて聞いてみた。
「死んでなくならない」
「私たちはエネルギーだから絶対なくならないんだよ」
「今回の人生はこういう人生、と決めてきている」
・・・・・・・・
そうお話しされた。
当然のことのように。
その眼には一点の曇りもなかった。
それまでたくさん本を読んできた。
あきみの世界への足掛かりになるような本を片っ端から。
きっと誰かに断言してほしかったのかもしれない。
当たり前のように言い切ってほしかったのかもしれない。
私は今まで人間の世界がすべて、という考えのもと生きてきた。
疑うことなんて一度もしたことなかった。
でもどうやら違うらしい。
そのことだけははっきり解った。
自分の知っていることがどれだけちっぽけなものだったか
思い知らされるような感覚だった。
それから・・・
私の本格的な探求が始まったのである。
あきみの今いる世界への探求が・・・
人はみな大切な人との別れを経験するようになっている。
もしも
大切な人をなくし
こころが闇に覆われ
どうしようもないときは・・・
思い出して
葉祥明さんの世界にぜひ触れてみてください。
心がこわれたときにも
あたたかい絵が
あたたかいことばが
傷ついたあなたに優しく語りかけ
光のようにあたたかく包み込んでくれるでしょう。
こころがほっと安心できたら・・・
そこからまたすこし拡がった世界のはじまりです。
きっとそう。
人間といういきものは
知識、常識、習慣・・・
自分の持てる思考をもってしてもどうにもならなくなったとき。
少しずつ意識を拡げていく存在なのかもしれない。
そうやって自分の意識の枠を少しずつ少しずつ拡げながら・・・
前に進めるようになっている。
そんな気がするのです。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。