リリイとわたしたちの12日間 ~戸惑い~

 

一夜明け

 

リリイはどうやら大丈夫そう

 

なんとか乗り切ってくれた

 

ただ

 

足は立たず・・

ごはんも食べたがらない

 

なんとか!と思い

あきみ父がフードを掌に載せて

リリイの口元にもっていく

 

少しだけ食べてくれた

 

でもほんとにほんの少しだけ

 

もしかしたら・・・

と思い

 

今度はドライフードではなく

レトルトパウチのような水分多めのフードをあげてみる

 

食べた!

 

やっぱりおなか空いてる

 

ひとつ食べ終え

もうひとつ!と思って出してみる

 

ふたつめは食べなかった。。

 

水だけはかろうじ飲んでくれるけど

26キロの大きな身体は

こっれっぽっちじゃ絶対に足りてない

 

大好きなりんごをうす~く切って

口の前にもっていってみる

 

クンクン匂いを嗅いで

ほんの1~2切れ

 

食べてくれる

 

リリイ

これじゃ足りてないよ・・

 

そう思いながらも

少しでも口にしてくれることに

その都度

一喜一憂してるわたしたちがいた

 

でも

もしかしたらリリイは心配してる家族のために

無理して食べてくれていたのかもしれない。。

 

口の前に無理にもっていくことで

そのときはつい反射的に食べてしまう

 

そんな風にもみえた

 

下痢と嘔吐を繰り返すリリイ

 

「もうわたしの身体は食べ物を消化できないんだよ」

 

そう訴えているんだ・・

 

わたしたち家族はその姿から

リリイのそんな声を聞いたような気がした

 

自分の身体の変化に気持ちが追いつかないリリイ

 

 

リリイの変化をうまく感じ取ってあげることができない

わたしたち

 

 

それぞれが

互いに戸惑っていた

 

 

 

 

 

 

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