リリイとわたしたちの12日間 ~受容~

 

リリイの消化機能が大幅に落ちていることを

やっと理解したわたしたち

 

あまり無理して食べさせることをしなくなった

 

リリイは水だけは飲んでくれるから

 

そこに安堵感を覚えた

 

水さえ飲んでくれれば

 

食べてほしい!

という人間の勝手な想い

 

リリイとのやりとりによって

いつのまにかその想いは消え失せ

 

水を飲んでくれていることだけでも

有難く感じ始めるようになっていた

 

リリイは犬だ

 

人間よりも自然に生きている

 

きっと

人間のわたしたちより多くを知っている

 

「リリイに任せよう」

 

そう思えた

 

このあと

どんなふうになっていくかなんて

正直わからないけど

リリイに訊きながら

リリイに相談しながら

・・・・・・・・

 

そう心が切り替わる瞬間があった

 

この生の終盤を

今まさに体感しているのはリリイ

 

わたしたちはその本人にすべてをゆだね

ついていけばよい

 

そう心に決めた

 

「リリイ

 よろしくね

 どうしたらよいのか

 おしえてね」

 

 

 

 

 

 

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