リリイとわたしたちの12日間 ~二人三脚~

 

自分が頑張れば

大抵のことはどうにかなる

 

そんな風に思って

生きていた頃があった

 

どうにかならないのは

自分が頑張っていないから

 

そんな風に思ったりして

 

自分で自分に厳しくしたり

どうにかならないことに心を奪われて

ヤキモキしたこともあった

 

何をどのようにしたって

どうにもならないことがある

 

これまでのわたしの人生における

どうにもならなかったこと

 

父親の急死

乳がん

あきみ(息子)の死

・・・・・・・・

 

どうにもならないこれらのことは

わたしのこころを大きく大きく揺さぶった

 

泣いても何をしても

どうあがいたって事態が変わることはない

 

変わりようのない現実を前に

わたしはただただ無力で

立ち尽くすことしかできなかった

 

無力な自分を嫌というほど味わった

 

そこから這い出すまで苦しまなかった

 

といえば明白なうそになるけれど

 

苦しみぬいた末にわたしが選んだのは

 

あるがままに身を委ね

流れに身をまかせることだった

 

逆らわず抗わない

 

それは自然界に生きる

動物のような生き方でもあった

 

どうにもならないことって

たくさんある

 

その多くは生死や病

大切な人との予期せぬ別れ

 

すべては自分で選べる

 

そんな風に思っていたけれど

自分で選んでいるようであって

実はそう導かれていることもたくさんある

 

リリイのこともそう

 

リリイの命がいつまで続くか?

 

それは誰にもわからない

 

わからないことを不安に思うより

 

今リリイが生きている

 

そのことを大事にし「今」に集中したい

 

傍からみるリリイの年老いた日々は

もしかしたら辛くて苦しくてかわいそうだ

と そんな風に見えるかもしれない

 

けれど

それらの日々は充実している

 

リリイとともに

リリイのすぐそばで

その人生を愛し

そのひとつひとつを大切にし

共有したいと思う

 

日々の営みのひとつひとつが

愛しくて大切なたからもの

 

身体の自由が利かなくなったリリイとともに

想い、受け止め、考える

 

どうしたらよいのか?

どうしたいのか?

 

わたしたちを信じて

身を委ねてくれるリリイ

 

その表情からは

「安心」を感じる

 

わたしたちはリリイのこころを

意識レベルで感じ取ろうと試みる

 

リリイと二人三脚しながら

その人生を「今」ともに生きている

 

それはとても心地のよい時間

 

リリイにとってもそうであったなら・・・

 

わたしたちはもう充分しあわせ

 

『死ぬまで生きる』

 

この世に生まれてきた

いきものすべてに課せられた課題

 

 

生まれて初めてベビーカーで散歩

 

あきみ姉・あきみも乗ったよ

 

わたし歩けなくなったけど

ここからの眺めは最高に気持ちいい♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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