12日目の朝
いつものように
「 リリイ行ってくるね
後でね 待っててね 」
そうリリイに声をかけ
あきみ姉は学校に出掛けて行った
リリイ
また「待っててね」
と言われちゃったね
そんな風に思いながら
そばにいるわたしたち
リリイはやっと生きている
そんな風に感じているから・・・
歩けなくなったリリイはベビーカーに乗って散歩する
あきみ姉は今日こそ
一緒にベビーカーで散歩したいらしい
だから「待ってて」
日中は息が苦しそうで
ハアハアいっては静かになって
の繰り返し
痛みや苦しみをどうにか逃している
どうしてよいか?は正直解らない
いちばん負担のかからない楽な姿勢
嘔吐物がのどにつまらない姿勢
を常に心掛けた
水もガーゼでほんの少し
含む程度は飲んでくれる
そんななかでも
排泄はかならず教えてくれるリリイ
だからそのサインを逃さないように
わたしたちは交代でそばにいるようにした
午後3時
横たわって力ももうほとんどない状態なのに
しっぽがパタパタ動く
あきみ父はサインだと感じ
二人で身体を起こし立つ体勢にしてみる
リリイは力の入らない後ろ足で踏ん張り
じょうずにうんちすることができた
もううれしくてうれしくて
自分のことのように喜ぶわたしたち夫婦
なんとか日中を過ごし
夕方あきみ姉早めの帰宅
「待っててね」の約束通り
リリイとベビーカーで
家族みんなでゆっくりゆっくり散歩する
もうリリイの体力・気力は限界
それは解っているけど
いつも通り過ごしたかった
リリイもそれを望んでいる
そう感じたから
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