番号のない卒業証書

 

あきみの卒業証書
第○○○○号と書かれる番号のところが空欄になっている
小学校が用意をしてくれた証書に番号はない

うちに遊びに来てくれた友だち
「おれは○○○○号だった
なんであきみのは番号が書いてないの?」と
ふとそう思ったのだろう
不思議そうに尋ねてきた

そうだよね
自分には書いてある番号があきみのにはない
なるほど!不思議だよね
なんで?って思うよね

その問いにあきみ父はこう答えた

「人はね 生まれると戸籍に名前が記載される
みんなも記載されてるんだよ
そして 死ぬと戸籍から削除されるんだ
人間として存在していないことになるんだよ
あきみは人間として小学校を卒業するわけではないから
だから番号が書けないんだ
みんなの心にいるあきみがみんなと一緒に卒業したんだよ」

ありのままを伝えた

その子は「ひどい」とひとことだけ発した
自分の知っている確かに存在した「あきみ」という人間が
今現在はいないということになっていることに対しての率直な感想だな
と思った

そこにあきみ父が付け加えた
「この世界はね
色々な決まりごとがあるんだよ
人間が決めた決まりごとのなかでみんな生きているんだ」
「わからないこともたくさんあるよね
これからひとつひとつ知っていくんだよ」って

その子が納得したかどうか?はわからない
しかし
真実は真実のまま伝えられる大人でありたい

そのことを大人の主観でジャッジする必要はないと思う

良いか?悪いか?ではなく
あくまでもありのままを伝える

そして考えてほしい
自分自身がそのことに対して「今」どう感じているか?
自分の心で感じてること味わってほしい

そうして自分の心で一度感じ・考えたことは二度と消えない

その人の記憶に留まる

その後 なんらかの機会にすこし形を変えることもあれば
そのまま記憶の片隅に残っていくこともある

正しい 正しくない ではなく
自分が何を感じ 何を想うのか

それらをたくさんたくさん経験していってほしい

ひとつひとつに「なんで?」と感じる素直な心
いつまでも持っていてほしい

子どもの純粋な心にはいつも何かしらの疑問が沸き起こる

それはとても自然なこと

それらいちいち沸き起こる「なんで?」って感覚
これからも大事にして生きていってほしい

そしてまわりにいるわたしたちは
子どもたちの純粋な心からくる「なんで?」
という問いかけに 丁寧に答えていきたい

包み隠したり ごまかしたりすることなく・・・

ありのままの真実を

 

 

 

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